
その症状は「すす病」と呼ばれる植物の病気かもしれません。
すす病は庭木や果樹、観葉植物まで幅広い植物に発生し、見た目を損なうだけでなく、放置すると植物そのものを弱らせてしまう厄介な存在です。
「黒いすすはどうやって落とせばいいのか」「効く薬はあるのか」「みかんやレモンなどの果実は食べられるのか」など、疑問を抱える方も少なくありません。
そこで本記事では、すす病の原因や症状、発生しやすい時期から、殺菌剤や殺虫剤を使った具体的な治し方、家庭でできる対処法、そして再発を防ぐ予防策まで詳しく解説します。
すす病に悩まされている方は、ぜひ最後までご覧ください。
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すす病とは?

原因や時期を知ることが、的確な対処への第一歩となります。
すす病は葉や茎が真っ黒になる病気
名前のとおり、まるで煙突のすすが付着したような黒い見た目が大きな特徴といえます。
この黒い膜が葉の表面を覆うと、植物は十分に光合成を行えなくなります。
その結果、生育が悪くなったり、葉が早く落ちてしまったりといった影響が出てきます。
なお、黒い部分は植物の内部に侵入しているわけではなく、あくまで表面に付着している状態です。
そのため、布やタワシでこすると比較的簡単に取れる場合が多くなっています。
発生しやすい時期は春から秋
とくに、原因となる害虫の活動が活発になる時期と重なるため注意が必要となります。
下記の表に、季節ごとの発生傾向をまとめました。
| 時期 | 発生傾向 | 注意点 |
|---|---|---|
| 春(4〜6月) | 害虫が増え始め発生しやすい | 新芽や若葉のチェックが重要 |
| 夏(7〜8月) | 高温多湿で繁殖が活発 | 風通しの悪い場所はとくに警戒 |
| 秋(9〜11月) | 害虫の活動が続き再発しやすい | 越冬前の害虫対策が有効 |
| 冬(12〜3月) | 活動は鈍るが菌は残る | 越冬中の害虫駆除がカギ |
冬場は活動が落ち着くものの、害虫の卵や成虫が越冬していると翌春に再び発生します。
季節を問わず継続的に観察する姿勢が大切です。
原因はカイガラムシやアブラムシの排泄物
アブラムシ、カイガラムシ、コナジラミといった害虫が植物に寄生すると、糖分を多く含んだ甘い排泄物(甘露)を出します。
この甘露を栄養源として、すす病菌が繁殖していきます。
つまり、すす病はカビが直接植物に取りつく病気というより、害虫の存在が引き金となって発生する二次的な病気だといえます。
このしくみを理解しておくと、対処の方向性が明確になります。
黒いすすを落とすだけでなく、原因となる害虫を駆除しなければ、何度でも再発してしまうわけです。
放置すると枯れるため早めの対処が必要
生育不良や落葉が進み、最悪の場合は株全体が枯れてしまう恐れもあります。
さらに、原因である害虫を放っておくと、被害が周囲の植物へ広がる点も見逃せません。
害虫が増えれば甘露も増え、すす病の範囲も拡大する悪循環に陥ります。
そのため、黒い症状に気づいたら、できるだけ早い段階で対処に取りかかることをおすすめします。
すす病にかかりやすい植物

ご自宅の植物が該当するか確認してみてください。
果樹類(柑橘類など)
これらの果樹はカイガラムシやアブラムシが寄生しやすく、甘露が発生しやすい環境にあります。
果実の表面が黒くなると見た目が悪くなり、商品価値や収穫の楽しみが損なわれてしまいます。
ただし、後述のとおり果実そのものは適切に処置すれば食べられるケースがほとんどです。
庭木・花木(ツバキなど)
これらの庭木はカイガラムシの被害を受けやすく、葉が密集して風通しが悪くなりがちな点も発生を後押しします。
庭のシンボルツリーが黒ずんでしまうと、庭全体の印象が損なわれます。
枝葉が高い位置にある場合は対処が難しくなるため、早めの管理が望まれます。
観葉植物・多肉植物(サボテンなど)
室内は風通しが悪くなりやすく、カイガラムシやコナジラミが発生すると、そのまますす病へつながることがあります。
観葉植物は鑑賞性が重視されるため、黒ずみは大きなマイナスとなります。
日頃から葉の裏側や茎の付け根を観察し、害虫の早期発見に努めましょう。
すす病の具体的な治し方

「害虫の駆除」と「すすの除去」を組み合わせることが基本となります。
原因となる害虫を駆除する
害虫を退治しない限り甘露が出続け、すす病菌の栄養源がなくならないためです。
害虫の種類に応じた薬剤を選ぶことがポイントになります。
代表的な薬剤を下記にまとめました。
| 種類 | 主な対象 | 代表的な薬剤の例 |
|---|---|---|
| 殺虫剤 | アブラムシ・カイガラムシ・コナジラミ | スミチオン乳剤、オルトラン水和剤 |
| 殺虫剤(越冬対策) | カイガラムシの卵・幼虫 | マシン油乳剤 |
| 殺菌剤 | すす病菌(カビ)の繁殖抑制 | トップジンMゾル、ベンレート水和剤 |
カイガラムシは成虫になると殻におおわれて薬剤が効きにくくなります。
発生初期の防除や、すでに繁殖している場合はブラシなどで物理的に取り除いてから薬剤を使う方法が効果的です。
なお、殺菌剤はすでに黒くなった部分を元に戻す薬ではなく、菌の広がりを抑えるためのものといえます。
薬剤を使用する際は、必ず製品ごとの説明書を読み、対象植物や希釈倍率を守ってください。
葉や枝についた黒いすすを洗い落とす
やわらかい布やスポンジ、使い古しの歯ブラシなどを水で湿らせ、葉を傷つけないようやさしくこすり落とします。
葉の枚数が多い場合は、水を勢いよくかけて洗い流す方法も有効です。
ただし、強くこすりすぎると葉や茎を傷めてしまうため、力加減には注意しましょう。
すすを取り除くと光合成が回復し、植物が元気を取り戻しやすくなります。
害虫駆除とあわせて行うことで、より高い効果が期待できます。
重曹や木酢液で家庭でできる対処
代表的なのが木酢液(もくさくえき)や竹酢液(ちくさくえき)を使った対処です。
木酢液や竹酢液は500〜1000倍程度に薄めて散布する方法が一般的で、抗菌作用によって菌の繁殖を抑える効果が期待できます。
害虫を寄せつけにくくする働きもあるとされ、予防的な使い方にも向いています。
一方、重曹については注意が必要です。
重曹は白いカビが特徴の「うどんこ病」対策として用いられることはありますが、すす病に対する直接的な治療効果は限定的だと考えられます。
すす病の根本原因は害虫の排泄物に生えたカビであるため、重曹だけで完全に解決するのは難しい点を理解しておきましょう。
家庭でできる対処はあくまで補助的な手段です。
被害が広範囲に及んでいる場合は、薬剤の使用や専門業者への相談を検討することをおすすめします。
ひどい枝は剪定して取り除く
被害の大きい部分を切り落とすことで、菌や害虫の温床を減らせます。
剪定は風通しと日当たりを改善する効果もあり、すす病の再発防止にもつながります。
切り取った枝葉は庭に放置せず、ゴミとして適切に処分してください。
ただし、過度な剪定は植物の負担になります。
枝の切る量や時期を誤ると樹勢が弱るため、判断に迷う場合はプロに任せると安心です。
すす病を再発させない予防策

ここでは、再発を防ぐための具体的な予防策を紹介します。
剪定で風通しと日当たりを良くする
定期的に剪定を行い、風通しと日当たりを良くしておくことが基本の予防策です。
とくに梅雨の前に余分な枝を整理しておくと、湿気のこもりを防げます。
すっきりとした樹形を保つことが、すす病の発生しにくい環境づくりにつながります。
カイガラムシ・アブラムシの定期チェック
チェックしておきたい主なポイントは下記のとおりです。
- ●葉の裏側に小さな虫や白い綿状のものが付いていないか
- ●枝の付け根や幹に茶色い殻のような突起がないか
- ●新芽や若葉に小さな虫が群がっていないか
- ●葉の表面がベタベタしていないか(甘露のサイン)
害虫を見つけたら、数が少ないうちに駆除することがポイントです。
発生初期であれば、薬剤や手作業での除去で十分に対応できます。
肥料の与えすぎを避ける
自宅の植物だけを管理していても、周囲に発生源があれば再び被害を受ける可能性があります。
そのため、庭全体を見渡して害虫の発生源がないか確認することも有効です。
複数の植物が密接している場合は、それぞれをこまめにチェックしておくと安心です。
近隣の庭木からの感染を防ぐ
自宅の植物だけを管理していても、周囲に発生源があれば再び被害を受ける可能性があります。
そのため、庭全体を見渡して害虫の発生源がないか確認することも有効です。
複数の植物が密接している場合は、それぞれをこまめにチェックしておくと安心です。
すす病に関するよくある質問

疑問の解消にお役立てください。
| すす病になった果実は食べられますか? |
|
| すす病の黒い部分は果実の表面に付着しているだけで、内部まで侵入しているわけではありません。 そのため、水でしっかり洗い流せば食べられるといわれています。 ただし、害虫の被害や別の傷みがある場合は、その部分を取り除いて確認してください。 気になる場合は、皮を厚めにむいて食べると安心です。 |
| すす病は人体に影響がありますか? | |
| すす病菌は植物に寄生するカビであり、人体への直接的な影響は基本的にないと考えられています。 触れたからといって健康を害するような病気ではありません。 とはいえ、見た目の不快感や、原因となる害虫が周囲に広がる点は無視できません。 衛生面や植物の健康のためにも、早めに対処しておくことをおすすめします。 |
| すす病を治すにはどうしたらいいですか? |
|
| すす病を治す基本は、「原因となる害虫の駆除」と「黒いすすの除去」をセットで行うことです。 害虫を退治して甘露の発生を止め、付着した黒い膜を洗い落とすことで植物は回復に向かいます。 被害がひどい枝は剪定し、再発防止のために風通しや肥料の管理も見直しましょう。 自力での対処が難しい場合や、高所・大木の作業が必要な場合は、専門業者に相談する方法もあります。 |
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