
そんな草花や庭木を、ふたたび生き生きとよみがえらせる手入れが切り戻しです。
ただ、いざ挑戦しようとすると、株のどこにハサミを入れればよいのか、どのくらいの量を切ればよいのか、迷ってしまう方も多く見られます。
この記事では、切り戻しと剪定・摘心との違いから、切る位置と切る量の決め方、季節ごとの適期、ペチュニアやガジュマルなど植物別のコツ、失敗しないための注意点までを、わかりやすく解説します。
今日からすぐに実践できる手順をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
お庭の大将は庭手入れの全国チェーン店!
切り戻しとは?剪定との基本的な違い

切り戻しとは、長く伸びた枝や茎を途中で切り、株をコンパクトに仕立て直す作業をいいます。
葉のわきに控えている芽を目覚めさせ、枝数を増やして株を再生させるのが大きなねらいです。
まずは、似たような作業との違いから整理していきましょう。
切り戻しと摘心(ピンチ)の違い
先端を摘まれた植物は上へ伸びる力をいったん止め、わき芽を増やそうと働くため、こんもりと枝数の多い株に育ちます。
これに対し切り戻しは、ある程度生長した株が対象で、伸びた枝そのものを大きく切り詰める手入れです。
言いかえると、摘心は花を咲かせる前の『株づくり』、切り戻しは咲いたあとの『仕立て直し』と位置づけられます。
扱う植物の大きさも、摘心はおもに苗や若い株、切り戻しは生長した株が中心と覚えておくとよいでしょう。
切り戻しと一般的な剪定との違い
込み合った枝や枯れ枝を取り除いて風通しや日当たりを改善する、いわば樹形を管理するための手入れです。
一方の切り戻しは、剪定のなかでも枝を短く切り詰めて株を更新することに重きを置いた手法といえます。
枝を整理する剪定に対し、切り戻しは枝を一回り小さくして新芽の芽吹きを促す、という方向性の違いがあります。
実際の庭仕事では、不要な枝を整理する剪定と、株を仕立て直す切り戻しを組み合わせて行う場面も少なくありません。
三つの作業の違いを、表にまとめます。
| 作業 | おもな目的 | 主な対象 | 行うタイミング |
|---|---|---|---|
| 摘心(ピンチ) | わき芽を増やし株を茂らせる | 若い苗・生長前の株 | 生育の初期 |
| 切り戻し | 枝を短くし株を更新・再生 | 生長した株・乱れた株 | 花後や生育期 |
| 一般的な剪定 | 不要枝の整理・樹形の管理 | 樹木・庭木全般 | 樹種に応じて随時 |
切り戻しはどこを切る?基本のやり方

切る位置と切る量さえ押さえれば、初めての方でもきれいに仕立て直せます。
ここでは、基本となる切り方を四つのポイントに分けて見ていきましょう。
切る位置は節や脇芽の上
節や脇芽には、これから枝葉に育つ芽が控えており、その上で切ると残した芽がぐんと伸び出します。
切る位置の目安は、芽の五〜十ミリほど上です。
芽との間隔が空きすぎると、上に残った茎が枯れ込んでしまうため、間延びしない位置を選びます。
反対に、芽のすぐきわで切ると芽を傷めるおそれがあるので、ほどよい余白を残すのがコツといえます。
全体の高さの半分〜3分の1を目安に切る
草花の切り戻しでは、株全体の高さの半分から三分の一ほどを切り詰めるのが一般的な目安です。
思いきって短くするほど枝数は増えますが、葉を残さず切るのは禁物です。
光合成を担う葉が極端に減ると、株が体力を失って再生が遅れてしまいます。
仕上がりをイメージしながら、中央を低く外側を高くドーム状に整えると、自然でバランスのよい姿になります。
傷んだ枝や徒長枝の処理
徒長枝とは、ひょろりと間延びして勢いだけ強く伸びた枝のことで、放っておくと株の姿を乱します。
枯れ枝や病気の枝、内側へ向かって混み合った枝も、あわせて整理しておきましょう。
これらの不要な枝を先に片づけておくと、残したい枝に養分が集まり、切り戻し後の生育がよくなります。
弱った枝を残したまま切り戻しても、思うように芽吹かないことがあるため、見極めが肝心です。
清潔なハサミで切り口を斜めに
枝を切るときは、切り口がやや斜めになるよう刃を入れると、雨水がたまりにくく腐りを防げます。
切り口が水平だと、そこに水がたまって雑菌が繁殖し、枝枯れや病気を招きやすくなります。
また、よく切れる清潔なハサミを使うと断面がなめらかになり、回復も早まります。
使う前にアルコールなどで刃をさっと拭いておくと、いっそう安心して作業できます。
切り戻しに最適な時期はいつ?

植物が元気な時期を選べば回復も早く、見ごろも長く楽しめます。
ここでは、切り戻しに向く代表的な三つのタイミングを紹介します。
梅雨入り前に蒸れを防ぐ
梅雨どきは湿気がこもり、葉や茎が密集した株は蒸れて傷みやすくなります。
雨が続く前に枝を整理して風通しをよくしておくと、蒸れによる病気や根腐れを防げます。
ペチュニアやマリーゴールドのように梅雨に弱い草花では、この時期の切り戻しがとくに効果を発揮するでしょう。
真夏に疲れた株を回復させる
真夏を越えた草花は、花が減り、茎が間延びして見た目も乱れがちになります。
傷んだ枝を切り戻して株を休ませると、涼しくなる秋に向けて新しい芽が動き出します。
ただし、猛暑のまっただ中での強い切り戻しは株の負担になるため、暑さが少しやわらいでから行うのが安心です。
九月ごろに切り戻しておくと、秋にもう一度花を楽しめる草花も少なくありません。
花が咲き終わった後の切り戻し
咲き終えた花をそのままにすると、株は種づくりに養分を使ってしまい、次の花つきが悪くなります。
花がらごと枝を切り戻すことで、養分が新しい枝葉に回り、次の開花がうながされます。
アジサイやツツジなどの花木では、翌年の花芽を夏のあいだに準備するため、花が終わったらできるだけ早く切り戻すのが肝心です。
三つの時期のねらいを、表で整理します。
| 時期 | 向いている植物 | 切り戻しのねらい |
|---|---|---|
| 梅雨入り前(5〜6月) | ペチュニア・マリーゴールドなどの草花 | 蒸れや病気を防ぐ |
| 夏越し後(8月下旬〜9月) | 夏に疲れた草花 | 秋の再開花に向けた回復 |
| 花が終わった直後 | アジサイ・ツツジなどの花木 | 翌年の花つきを守る |
植物別に見る切り戻しのコツ

ここでは、家庭で育てられることの多い四つの植物を例に、具体的なコツを紹介します。
ペチュニアの切り戻し
咲き続けるうちに枝が放射状に伸び、中心がすかすかになって花が外側だけに寄りがちです。
そんなときは、梅雨前を目安に株全体を半分ほど切り戻すと、ふたたびこんもりと茂って花数が回復します。
作業の流れは、次のとおりです。
- ●株全体の高さの半分を目安に、各枝を脇芽の上で切りそろえる
- ●中央を低く、外側をやや高くしてドーム状に整える
- ●切ったあとは薄めの液体肥料を施し、土が乾いたら水を与える
一度に大きく切るのが不安なら、月に一度ほど軽く切る段階的な切り戻しをくり返す方法もあります。
こまめに整えるほど株の若さが保たれ、秋まで長く花を咲かせ続けてくれます。
ビオラの切り戻し
冬を越すころには茎が伸びて花が小ぶりになり、株姿も間延びしてきます。
気温がゆるみはじめる早春に、株の三分の一ほどを切り戻すのがおすすめのタイミングです。
具体的な手順は、次のとおりです。
- ●伸びすぎた茎を、元気な葉やわき芽の上で切る
- ●黄ばんだ葉や咲き終わった花がらも一緒に取り除く
- ●切り戻し後は緩効性肥料を株元に置き、株の体力を補う
切り戻してから二〜三週間ほどで新しいわき芽が伸び、春にはまたボリュームのある株がよみがえります。
真冬の寒さが厳しい時期は生育が止まっているため、強い切り戻しは春の気配を待ってからにしましょう。
ナス(茄子)の切り戻し
真夏になると株が疲れ、実が小さく硬くなったり、味が落ちたりします。
そこで七月下旬から八月上旬ごろに枝を切り戻し、株の勢いを取り戻します。
手順は、次のとおりです。
- ●各枝を三分の一から半分の長さに切り詰め、外向きの芽を残す
- ●株元から少し離れた位置にスコップを入れ、根を切る『根切り』を行う
- ●切り戻し後はお礼肥を施し、たっぷりと水を与える
枝と根を一緒に若返らせることで、秋にはやわらかくつやのある『秋ナス』を収穫できます。
切り戻し直後は実つきが落ち着きますが、ひと月ほどで株が回復し、ふたたび実をつけはじめます。
ガジュマルの切り戻し
生長すると枝が四方へ伸び、葉が落ちて間のびした姿になることがあります。
切り戻しの適期は、生育が盛んになる五月から七月ごろです。
作業のポイントは、次のとおりです。
- ●伸びすぎた枝を、葉の付け根や節の上で切る
- ●全体のバランスを見ながら、思いきって短く整える
- ●切り口から出る白い樹液は、布などで拭き取っておく
切った節の下からは新しい芽が吹き、こんもりとした樹形に整っていきます。
なお、切り取った枝は挿し木にも使えるため、ふやしたいときに活用するとよいでしょう。
生育が鈍る冬の切り戻しは避け、暖かい時期に行うのが失敗を防ぐ秘訣です。
植物別のポイントを、表にまとめます。
| 植物 | 適した時期 | 切る量の目安 | ワンポイント |
|---|---|---|---|
| ペチュニア | 梅雨前 | 全体の約半分 | 月1回の段階的な切り戻しも有効 |
| ビオラ | 早春 | 約3分の1 | 花がらや黄ばんだ葉も一緒に除去 |
| ナス | 7月下旬〜8月上旬 | 枝の1/3〜1/2 | 根切りとセットで秋ナスを収穫 |
| ガジュマル | 5〜7月 | バランスを見て大胆に | 切った枝は挿し木に活用できる |
切り戻しで失敗しないための注意点

失敗を避けるために、押さえておきたい四つのポイントを確認しておきましょう。
切りすぎて株を弱らせない
葉をほとんど落として茎だけにすると、株は光合成ができず、回復のためのエネルギーをつくれません。
最悪の場合そのまま枯れてしまうこともあるため、葉や芽は必ず数枚残すよう心がけます。
とくに植えたばかりの株や、すでに弱っている株は、切り戻しを軽めにとどめるのが安全です。
もう少し切りたいと感じるあたりで手を止めるくらいが、ちょうどよい加減といえます。
真夏や真冬の強剪定は避ける
真夏の猛暑や真冬の寒さのなかでは、植物の生育が鈍り、切り口の回復にも時間がかかります。
この時期に強く切り戻すと、株は体力を消耗し、傷んだり枯れたりしやすくなるため注意が必要です。
どうしても気になる枝があるときは、枯れ枝や飛び出した枝を軽く整える程度にとどめます。
本格的な切り戻しは、春や秋など気候の穏やかな時期を待つのが賢明です。
切り戻し後の水やりと追肥
土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。
あわせて、緩効性肥料や薄めの液体肥料を『お礼肥(おれいごえ)』として施すと、芽吹きがぐんとよくなります。
ただし、弱った株に濃い肥料を一度に与えると根を傷めるため、量は控えめから始めてください。
肥料の濃さは規定より薄めにし、株の様子を見ながら少しずつ調整するのが安心です。
病気を防ぐための道具の消毒
切れ味の鈍ったハサミは切り口をつぶし、そこから雑菌が入り込む原因になります。
さらに、病気にかかった株を切った刃で別の株を切ると、菌やウイルスを広げてしまいます。
作業の前後や株ごとに刃をアルコールや熱湯で消毒すれば、病気の広がりを抑えられるでしょう。
小さな草花ではそこまで神経質になる必要はありませんが、庭木の太い枝を扱うときは消毒を習慣にすると安心です。
植物の切り戻し剪定ならお庭の大将にお任せください

草花であれば手軽に挑戦できますが、背の高い庭木や数の多い植木の切り戻し剪定となると、適期の判断や高所での作業に手間と危険がともないます。
切る位置を誤って花が減ったり、慣れない作業でけがをしたりする前に、プロへ相談するのもひとつの方法です。
お庭の大将は、北海道から沖縄まで日本全国に対応する、庭まわりの専門サービスです。
庭木の植栽から日々のお手入れまで、幅広い作業を承っております。
- ●植栽
- ●剪定・切り戻し
- ●伐採・抜根
- ●草刈り・芝刈り
- ●防草シート施工
- ●砂利敷き
- ●庭木の消毒 など
地域に密着して店舗を構えているため、お住まいの土地の気候や植物の状態に合わせたご提案ができます。
お見積もりは無料で、作業後に追加料金をいただくこともありません。
受付時間は9:00〜19:00、年中無休で対応しております。
草花や庭木の切り戻しでお困りの際は、どうぞお気軽にお庭の大将までお問い合わせください。




