

芝生のお手入れには、季節に応じた芝刈りや水やり、そして美しい状態を保つための専門的なメンテナンスがあります。間違えたやり方では逆効果になるリスクもあるため、正しい手順や時期を把握しておくことが大切です。
そこで本記事では、芝生のお手入れの基本から、年間スケジュール、必要な道具、トラブル対策までを徹底解説します。初心者でも失敗しないコツを紹介しますので、ぜひ理想の庭づくりの参考にしてください。
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芝生のお手入れの基本

●お手入れが必要な理由
●日本芝と西洋芝の違い
●お手入れを放置するデメリット
まずは、芝生に関する基礎知識として、上記の項目を詳しく解説します。
お手入れが必要な理由
芝生は上へ伸びるだけでなく、地面を這うように茎を伸ばして密度を高くしていくのが特徴です。定期的にお手入れをすることで、病気や害虫の発生を防ぎ、健康な状態を長く保つことにつながります。
手をかければかけるほど密度が高く、踏み心地の良い元気な芝生に育ちます。ただ植えるだけでなく、生き物として愛情を持って育てることが大切です。
日本芝と西洋芝の違い
日本の気候に適した日本芝(高麗芝など)は、夏の暑さに強く、冬に休眠して茶色くなるのが特徴です。乾燥や病気にも比較的強く、初心者でも育てやすい種類といえます。
一方、西洋芝(ケンタッキーブルーグラスなど)は、冬でも青々とした緑を楽しめる反面、日本の夏の暑さや多湿に弱いというデリケートな一面を持っています。
それぞれの性質を理解し、お住まいの地域や種類に合わせた管理を行うことが大切です。
お手入れを放置するデメリット
芝が伸び放題になると、地面近くの日当たりや風通しが悪くなり、病原菌が繁殖してカビや病気が発生しやすくなります。さらに、湿気を好む害虫の温床となり、気づいた時には芝生が枯れて全滅してしまうケースも珍しくありません。
また、一度雑草が隙間に入り込んでしまうと、根が広がってしまい、抜き取るのが困難になります。
見た目が損なわれるだけでなく、芝生の再生には莫大な時間と費用がかかるため、放置は禁物です。
芝生のお手入れで欠かせない作業

●芝刈り
●施肥
●目土入れ
●サッチング
●エアレーション
これらの作業は、芝生の根に酸素や栄養を届け、成長を促すために欠かせないメンテナンスです。それぞれの作業が持つ役割と、正しい手順を解説します。
芝刈り
定期的に上部を刈り取ることで、芝生は上に伸びるのを止め、横へと新しい芽を伸ばす性質があります。これにより、隙間のないフカフカの絨毯のような芝生が作られます。
ただし、一度に短く刈り込みすぎると、成長点まで切ってしまい、芝生が枯れる原因(軸刈り)になります。そのため、常に全体の3分の1を刈るのが鉄則です。成長が旺盛な夏場は、週に1〜2回を目安にこまめに行いましょう。
施肥
限られた庭の土壌だけで育つ芝生は、常に栄養不足になりがちです。特に芝刈りを頻繁に行う時期は、刈り取られた分だけ多くのエネルギーを消費しているため、外部からの栄養補給が欠かせません。
肥料には、即効性のある液体肥料と、ゆっくり長く効く固形(粒状)肥料があります。季節の変わり目や、芝生の成長が活発になる春から夏にかけて、ムラが出ないように均一に撒くのがポイントです。
目土入れ
一見、芝生を埋めてしまうように見えますが、これには重要なメリットがあります。凸凹になった地面を平らにして芝刈りをしやすくするほか、露出した茎や根を保護して新しい芽の成長を促す効果が期待できます。
また、土壌の通気性や保水性の改善にも効果大です。作業時は、芝生の葉先が少し隠れるくらいの厚さ(1〜2mm程度)に薄く均一に広げ、ほうきやレーキを使って芝の隙間へ落とし込むように馴染ませましょう。
サッチング
サッチとは、刈り取った芝のカスや枯れた葉、古い根などが腐らずに堆積したもののこと。これが厚く溜まると、スポンジのように雨水を吸い込んでしまい、地面の通気性や水はけが著しく悪化します。
サッチを長期間放置すると、病原菌や害虫の温床になり、芝生が病気にかかりやすくなります。春や秋の過ごしやすい時期に、サッチング用の熊手(レーキ)を使って、根元からしっかりとかき出しましょう。
エアレーション
人が歩くことで踏み固められた土は、酸素不足になり、水も染み込みにくくなります。地面に穴をあけることで、根の奥深くまで新鮮な空気(酸素)と水、肥料を行き渡らせることが可能です。
同時に、密集した根が適度に切れることで刺激となり、新しい元気な根の成長が促されます。芝生の生命力を引き出すためにも、年に1〜2回、春や秋に行うのが最適です。
芝生のお手入れに使用するグッズ

●芝刈り機・バリカン
●サッチング用熊手とレーキ
●エアレーション道具
●散水ホース・スプリンクラー
ここでは、最低限揃えておきたい定番の便利アイテムを紹介します。
芝刈り機・バリカン
芝刈り機には手軽な手動式から、広い庭でも力がいらない電動式・エンジン式まであります。お庭の広さや予算に合わせて最適なものを選びましょう。
仕上がりの美しさに直結する道具だからこそ、刃の切れ味を保つための定期的なメンテナンスも大切です。
サッチング用熊手とレーキ
落ち葉用の熊手とは異なり、芝生の奥までしっかり届くように爪が細く、頑丈な金属製で作られているのが特徴です。効率よくサッチを集められるだけでなく、固まった土の表面を軽くほぐす役割も果たしてくれます。
作業時は芝生の根を傷めないよう、適度な力加減を意識しましょう。通気性と水はけの改善にもつながるため、ぜひ用意しておきたいグッズです。
エアレーション道具
●ローンパンチ:土を細長い筒状にくり抜く道具
●ローンスパイク:鋭い刃を突き刺してスリットを入れる
エアレーションの専用グッズには上記の2種類があり、状況に応じて使い分けるのがポイントです。
土がガチガチに固まっているお庭には、古い土を外に排出できるローンパンチが適しています。また、靴の裏にトゲがついた「芝生通気シューズ」なら、お庭を歩くだけで手軽にエアレーションができるため、体力に自信のない方にも便利です。
散水ホース・スプリンクラー
一般的な庭であれば、ノズルで水の広がり方を切り替えられる散水ホースがあれば十分対応できます。一方、広い敷地に満遍なく水を撒きたい場合は、自動で首を振って広範囲をカバーしてくれるスプリンクラーがおすすめです。
夏の水やりは重労働になりがちですが、専用グッズがあれば、毎日の負担を減らしながら均一に水分を行き渡らせることができます。
芝生の年間お手入れスケジュール

●春(3〜5月)の作業
●夏(6〜8月)の作業
●秋(9〜11月)の作業
●冬(12〜2月)の作業
春夏秋冬、それぞれの季節で「いつ・何をすべきか」を把握し、年間スケジュールを計画しましょう。
春(3〜5月)の作業
3月頃には、冬の間に溜まったサッチの除去(サッチング)や、根に酸素を届けるエアレーションを行いましょう。4月以降、暖かくなるにつれて成長が始まるため、最初の肥料(施肥)を与えて成長を促します。
また、この時期に地面の凸凹を直す目土入れを行うのも最適です。5月に入り芝が伸びてきたら、いよいよシーズン最初の芝刈りをスタートします。
本格的な夏を迎える前に、しっかりとした土台を作りましょう。
夏(6〜8月)の作業
また、強烈な日差しによる水切れを防ぐため、毎日の水やりも欠かせません。ただし、西洋芝の場合は日本の暑さに弱く、夏バテ(休眠)しやすい時期となります。西洋芝の夏場は芝刈りを控えめにし、朝の涼しい時間帯にたっぷりと水を撒いて夏を乗り切りましょう。
秋(9〜11月)の作業
冬越しに向けた最後の肥料(止め肥)を撒き、根を強く育てておくのがポイントです。また、この時期は涼しくなり作業がしやすいため、春にできなかった場合はエアレーションやサッチングを行いましょう。雑草の種が落ちる前に、見つけ次第手で抜いておけば、翌春の草むしりが楽になります。
冬(12〜2月)の作業
一方、西洋芝は冬でも緑を保つため、土が乾きすぎない程度の適度な水やりが必要となります。日本芝の場合、冬場は芝生の上をあまり踏まないようにして根を保護しましょう。春に綺麗な新芽を出してもらうためにも、お庭をゆっくり休ませてあげる季節です。
芝生が水切れしているサインと水やりのコツ

●葉が丸まる・色が変わるサイン
●季節別の水やり頻度と量
●水やりに適した時間帯
ここでは、芝生が出す水切れのサインをはじめ、季節ごとに最適な水やりの頻度や量、そして効果を高める時間帯のコツを詳しく解説します。
葉が丸まる・色が変わるサイン
まず注目したいのが、葉の形です。健康な芝生の葉は平らに開いていますが、水切れが始まると水分を逃がさないように葉の端が内側に丸まり、針のように細くなります。さらに症状が進むと、鮮やかだった緑色が徐々にくすんだ青緑色や灰色っぽく変化し、最終的には茶色く枯れてしまうのが特徴です。
また、芝生の上を歩いた際、普段ならすぐに元に戻る足跡がいつまでも残る場合も、水分が足りず弾力性が失われている証拠です。芝生から発せられる、これらのSOSサインを見逃さないようにしましょう。
季節別の水やり頻度と量
春や秋は土の表面が乾いたら与える程度で十分ですが、成長が最も旺盛で乾燥しやすい夏場は、基本的に毎日の保水が必要です。逆に、日本芝が休眠する冬場は、基本的に水やりの必要はありません。
与える量の目安は、土の奥深く(根の先端がある10〜15cmほど)までしっかり水が染み込むよう、1平方メートルあたり10〜20リットルとたっぷりあげるのがコツです。表面だけを軽く濡らすような中途半端な水やりは、かえって根の成長を妨げる要因になります。
水やりに適した時間帯
絶対に避けたいのは、夏の昼間の水やりです。炎天下で水を撒くと、温められた水が地中で沸騰したような状態になり、根に大きなダメージを与えて枯れる原因になります。
また、夕方以降の水やりも、夜間に湿気がこもり続けて病気やカビが発生しやすくなるため、極力控えるのが賢明です。
芝生の雑草対策と病害虫の防ぎ方

●手抜き取りで対処できる雑草
●除草剤の使い方と選び方
●よく発生する病気と害虫の見分け方
被害を最小限に抑えるためには、早期発見と適切な対処が欠かせません。雑草や病害虫の被害から大切な芝生を守るポイントを、詳しく解説します。
手抜き取りで対処できる雑草
芝生の隙間に生えやすいメヒシバやカタバミ、タンポポなどは、小さいうちに根元からしっかり引き抜きましょう。地上の葉だけをちぎっても、根が残っているとすぐに再生してしまいます。
作業のコツは、雨が降った翌日など土が柔らかくなっているタイミングを狙うことです。草抜き用のピンセットやナイフなど、専用の根起こし工具を使うと、芝生の根を過度に傷つけずに、雑草の根を奥深くからきれいに処理できます。
除草剤の使い方と選び方
ただし、一般的な除草剤を撒くと芝生まで枯れてしまうため、必ず芝生専用の選択性除草剤を選ぶのが鉄則です。選択性除草剤なら、芝生を守りつつ雑草だけを枯らすことができます。
また、除草剤には雑草の発生を防ぐ土壌処理剤(粒状)と、すでに生えている雑草を枯らす茎葉処理剤(液体)の2種類があります。季節や雑草の成長段階に合わせて正しく使い分けることで、芝生に過度な負担をかけずにお庭の美観を守ることが可能です。
よく発生する病気と害虫の見分け方
代表的な病気には、春や秋の長雨シーズンに発生しやすく、芝生が円形状に茶色く枯れるラージパッチがあります。これはカビ(糸状菌)が原因で、放置すると徐々に輪が広がっていくため注意が必要です。
一方、葉が不自然にかじられていたり、特定の場所だけが急激に枯れ始めたりした場合は、スジキリヨトウやタマナヤガといった害虫の幼虫が、根や葉を食害している可能性が高くなります。
それぞれの原因に合わせて、殺菌剤や殺虫剤を適時散布して対処しましょう。
芝生のお手入れにかかる費用

●DIYで揃える道具代の目安
●業者に依頼した場合の費用相場
●DIYと業者依頼の判断するポイント
それぞれの費用相場を把握し、ご自身のライフスタイルに最適な方法を選びましょう。
DIYで揃える道具代の目安
以下に、一般的に揃える道具と費用の目安をまとめました。
| 道具・資材 | 費用の目安 | 特徴・役割 |
| 芝刈り機・バリカン | 5,000円〜30,000円 | 手動・電動など庭の広さに合わせて選ぶ |
| サッチング用レーキ | 2,000円〜5,000円 | 根元の枯れ葉や刈りカスをかき出す |
| エアレーション道具 | 2,000円〜4,000円 | 土に穴をあけて酸素を届ける |
| 消耗品(肥料・目土など) | 2,000円〜5,000円 | 1回のお手入れで消費する資材代 |
業者に依頼した場合の費用相場
| 作業内容 | 1平方メートルあたりの相場 | 備考 |
| 芝刈り | 150円〜550円 | 定期的な刈り込み |
| 雑草取り | 300円〜900円 | 手での抜き取りや薬剤散布 |
| エアレーション | 400円〜600円 | 土壌の若返り |
| 目土入れ・施肥 | 500円〜1,000円 | 肥料代や運搬費が含まれる |
DIYと業者依頼の判断するポイント
目安として、10〜20平方メートル(約3〜6坪)ほどの広さで、週末にガーデニングの時間を趣味として楽しめるならDIYが最適です。コストも最小限に抑えられます。
一方で、30平方メートルを超える広いお庭の場合や、夏場の頻繁な芝刈り・重労働となるサッチングやエアレーションの時間が取れない場合は、プロの手を借りるのが賢明です。
無理をして放置すると、芝生が枯れて張り替えることになりかねません。そうなるよりは、定期的にプロに依頼した方が、結果的にコストパフォーマンスが高くなります。
芝生のお手入れに関するよくある質問

ここでは、芝生を育てている方から特によく寄せられる、3つの代表的な質問にお答えします。疑問を解決して、自信を持ってお手入れに取り組みましょう。
| 芝生の手入れは一年を通してするべきですか? | |
| 結論からいうと、芝生の種類によって異なります。 日本の多くの家庭で植えられている日本芝の場合、冬は休眠期に入って成長が止まるため、12月〜2月頃の日常的なお手入れは基本的に不要です。 ただし、春にきれいな新芽を出すための準備や、秋の終わりに行う冬越しの手入れなど、季節ごとの役割は年間を通して存在します。 一方、冬でも緑を保つ西洋芝の場合は、冬場でも適度な水やりが必要となり、一年を通した継続的な管理が欠かせません。 お庭の芝生に合わせた、メリハリのあるお手入れが大切です。 |
| 芝生を張ってからどのくらいで手入れを始めたらいいですか? | |
| 芝生を新しく張った直後は、まず根付かせることが最優先となるため、最初のお手入れは水やりからスタートします。 目地(芝と芝の隙間)が完全に埋まり、根が地面にしっかり張るまでの約1ヶ月間は、乾燥させないように毎日たっぷりと水をあげましょう。 この期間は芝生がまだ不安定な状態のため、上を歩いたり、芝刈りをしたりするのは厳禁です。 しっかりと根が張って新しい葉がグングン伸び始め、全体の高さが4〜5cmほどに成長したタイミング(目安として1〜2ヶ月後)から、いよいよ最初の芝刈りや施肥などの本格的なお手入れを開始します。 |
| エアレーションやサッチングは毎年必要ですか? | |
| 健康でフカフカな芝生を維持するためには、どちらも毎年行うのが理想的です。 特にサッチングは、日々の芝刈りで出たカスや枯れ葉が溜まってしまうため、水はけや風通しを良くするためにも年1〜2回(春や秋)の実施を強くおすすめします。 一方、土に穴をあけるエアレーションは、家族がよく歩く場所やドッグランとして使っているなど、土が踏み固まりやすい環境であれば毎年行うのがベストです。 あまり人が立ち入らず、水はけも良いお庭であれば、芝生の状態を見ながら2年に1回程度のペースに調整しても問題ありません。 |
芝生のお手入れならお庭の大将にお任せください

美しい緑の絨毯を長くキープするためには、日々の小さなサインを見逃さず、適切なタイミングでお手入れを続けていきましょう。
とはいえ、季節ごとの適切な管理や重労働な作業など、美しい芝生を維持するには多くの時間と労力がかかります。「忙しくて手が回らない」「最近芝生の元気がない」とお悩みなら、無理をせずプロの力を借りるのがおすすめです。
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専用機材を用いた均一で美しい芝刈りはもちろん、職人の目による的確な施肥や目土入れ、重労働なサッチングやエアレーションまで、お庭の広さや芝生の状態に合わせた最適なプランをご提案します。
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